Onishisantoko|元学生寮が生まれ変わり、再び人が集まる場所へ
関西大学のすぐ裏手に、築50年にもなる「ゆにわ荘」という元学生寮があります。
長い役目を終えた「ゆにわ荘」はリノベーションされ、『Onishisantoko(オオニシサントコ)』というカフェに新たに生まれ変わりました。
オープンまでのストーリーやお店に込められた想いが知りたくなり、取材させていただきました。
オオニシサントコ行こ~
関西大学の5号門(東門)を出ると、思わず通り過ぎてしまいそうな、一見住宅のようなカフェが見えてきます。
長くそびえ立つシンボルツリーがとても印象的です。
玄関に近づくと、『Onishisantoko』と書かれた看板が。
お茶碗の上に1匹の鳥、どういった意味なのか気になりますね。
さらに、扉の上には「ゆにわ荘」「SINCE 1961」の看板が、、、当時の雰囲気がそのまま残っています。
どんなカフェなのか心が踊るのを抑えて、玄関の扉をガラガラと。
お店の中に入ると、木の香りがフワッと広がります。
そして、黒板には
「Welcome ゆにわ荘 Be born again Onishisantoko ESTD2018」
と、お店の絵と共に我々を出迎えるメッセージが描かれています。
こちらの笑顔の素敵な女性が店主の大西さん。
店内に置かれているもの一つ一つにセンスと温かみを感じます。
そしてそれは料理にも。
Santokoランチプレート
よくばりオープンサンド
たくさんの野菜や十穀米など、健康的で彩りの良いランチをいただくことができます。
デザートメニューは、ご近所にある身体に優しいお菓子屋さん「天使のたまご」で作られたケーキなどがあります。
ご飯を食べ終わり、大西さんに取材をさせて欲しいとお願いしてみたところ、快くOKしてくださりました。
Onishisantokoの“大西さん”にインタビュー
――ご飯ごちそうさまでした。それではよろしくお願いします!
はい、私もいっぱい話したいことがあるので嬉しいです。
――早速ですが、『Onishisantoko(オオニシサントコ)』というお店の名前の由来は何なんですか?
なかなかインパクトある名前ですよね。笑
私の名前が「大西」なので、「大西さんとこ行こ~」みたいな感じでお客さんが気軽に来れる場所にしたいなという思いで付けました。
それで、ローマ字にしてみたら意外に可愛かったのでそのまま採用することに。
――お店の前の看板にも描かれていたお茶碗と鳥のデザインは、どなたが?
大好きな食堂のご夫婦が紹介してくださった作家さんにデザインしてもらいました。
一番最初のOはお家のマークで、お茶碗に笑顔のマークはご飯を食べて笑顔にという意味、葉っぱのマークはお店のシンボルツリーであるシュロの木を表現しています。
それと、この作家さんがデザインしてる鳥が好きで、是非入れてほしいとお願いしたんです。
――ここでお店をやることになったキッカケは?
1番のキッカケはこの物件と出会ったことです。
ここを始める前にレンタルカフェをやっていたんですけど、いつか自分のお店を持ちたいな~と思っていました。
ちょうどその頃に偶然ネットでここの物件を見つけて、実際に「ゆにわ荘」を訪れた時に、ここでカフェをやってる自分の姿が具体的にイメージできました。
――「ゆにわ荘」の何がそこまで心に刺さったんですか?
まず、この物件の募集要項に「人が集まれるような場所として使って欲しい」と記載されていたことに惹かれました。
ゆにわ荘の大家さん(売主)には「人が集まる場所として残したい」という強い希望があったそうです。
そして実際に物件を見に来た瞬間、この大きな一本の木(シュロの木)が気に入り、築50年以上の学生寮をリノベーションしてカフェをやるイメージが頭の中でぶわっと広がりました。
――「ゆにわ荘」の大家さんは実際にお会いしたのですか?
私自身ここに強く惹かれたということもあって、学生寮時代の思い出とかこの辺りの地域のことを大家さんにお伺いしに行きました。
そこで昔のことをいっぱい話してくださり、すっごい大事にされてるんだな~と伝わりました。
だからこの大事にされてきた想いを、絶対に自分の店で引き継ぎたいとさらに強く思いました。
あと大家さんが昔の「ゆにわ荘時代のアルバム」を貸し出して下さり、それをお店に置かせてもらってます。
私たちも見させてもらいましたが、リノベーション前の建物がどんな感じだったか知れるのでOnishisantokoに来た際はぜひご覧ください!
どうやら関西大学ができたときのアパートとしては第1号だそうですよ。(※大学と提携した寮とはまた別みたいです)
――大西さんってもともとは何をされてた方なんですか?どういった経緯でカフェをやりたいと思うようになったのか気になります。
以前は福祉施設で働いていたんです。
言葉のコミュニケーションを取るのも難しい、割と重度の方がおられる施設でした。
ただそういった方でも食事のとき、自分が好きなものを食べたときには喜んだり、美味しいものを食べると嬉しそうな表情するのを見ていて、食事でもコミュニケーションが取れるんだなと実感しました。
食事はただお腹を満たすだけではない、大事なコミュニケーションの一環なんだと…
それで元から誰かに料理作って提供することが好きだし、カフェ巡りが趣味だしとなって、レンタルカフェをやってみようという思いに発展していきました。
――もし福祉施設で働いてなかったら、そもそもカフェをやろうとも思わなかったんですかね?
思ってなかったかもしれません。
なので福祉関係で働いていたからこそカフェをしたいと思った経緯も大事にしたいと想ってます。
福祉の仕事からは離れてしまいましたが、ここで食事も大切なコミュニケーションの一環だと学んだので、自分のこれまでの経験を『Onishisantoko』でしっかり活かしたいです。
だからこそ、このお店を「人と人が繋がる」コミュニケーションの場にしたいし、「地域の方々に愛されるようなカフェ」を目指していきます。
――私たちも「WEBメディアを通して地域の人々を繋げたい」という想いから吹田日和を立ち上げたので凄い共感できます。
カフェだけでなく、イベントも開催しているのは、そういった想いからですか?
そうですね。
12月にはイベント2つ予定していて、
1つ目は、12/5(水)に知り合いの方とコラボして、ヨガ教室やカラーセラピーのイベントを予定しています。
2つ目は、12/21(金)に自転車で世界中を旅されているご夫婦に話をしてもらうイベントを予定しています。
1年を通して「人と人が繋がる」イベントをやりたいと考えています。
――これからどんなイベントをやっていきたいですか?
プロジェクターを使って、何か映像の上映会なんかをやってみたいです。あとは食育の教室なども興味があります。
たくさんの方にここの場所を利用していただきたいですし、大学もすぐ近くなので、学生さんのサークル活動とかでも利用していただきたいですね。
――良いですね~、吹田日和もいつか一緒にイベント開催したいです。
ちなみに旦那さんがお店に立つことはあるんですか?
平日は別の仕事があるので、土日だけ手伝ってくれています。
――そうなんですね。住居兼カフェをしたいと言ったとき、旦那さんはどんな反応だったんですか?
最初から応援してくれました。
そもそもレンタルカフェをやり始めたのも、旦那さんが「やりたいことがあるならやってみたら?」と後押ししてくれたのが大きかったです。
カフェのOPEN後も「今日は店どんな感じだった?」といつも気にかけてくれます。
――素敵すぎる旦那さんですね。。土日はどんな手伝いをされているんですか?
ドリンク担当です。笑
旦那さんがチャイ作りにハマっていて、平日にはないメニュー「チャイ」を土日限定で提供しています。
日本で初めてチャイの本を出版した「神原さん」という方のワークショップで感銘を受けて、そこからチャイ作りに没頭しているんです。
――今日が平日なのが残念です・・旦那さんが作るチャイを飲みに今度は土日に来てみます。
話が盛り上がり過ぎて、すっかり外も暗くなってしまいました。
期待していた通り、想いがたくさん詰まったカフェで、とても温かみを感じました。
ここから人と人が繋がり、きっとまた新しいストーリーがたくさん生まれてくいくのでしょう。
皆さんも、オオニシサントコへ行ってみませんか?
大西さん、たくさんの想いを聞かせていただいてありがとうございました。
また遊びに行きますね!
Onishisantoko(オオニシサントコ)の店舗情報
店名 | Onishisantoko(オオニシサントコ) |
住所 | 大阪府吹田市上山手町1-5 ゆにわ荘の1階 |
電話番号 | 06-7709-1316 |
営業時間 | 11:00~16:00(L.O 15:00) |
定休日 | 木曜日+不定休 |
駐車場 | 1台~(電話で要相談) |
アクセス | 阪急千里線「関大前駅」から徒歩15~17分 |